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ユーザビリティやUXユーザー体験とはそもそも何なのか?

ユーザビリティやユーザー体験などの言葉は今やよく聞くワードになったのだが、実際にどういうこと?
どういう概念なのか、しっかりと分かっている人は少ないはずだ。今回はそんなユーザビリティ、ユーザー体験について解説していく。

ユーザビリティとは何か?

ユーザービリティとは、工業製品やソフトウェアにおける「使いやすさ」や「使い勝手」を指す。国際企画ISO-9241-11ではユーザービリティを「特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成されるために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い」とある。ちょっと小難しいが、さらにこれらを以下の4つの観点から定義している。

● 有効さ ・・・ユーザーが指定された目標を達成する上での正確さと完全さ
● 効率 ・・・ユーザーが目標を達成する際に正確さと完全さに費やした資源
● 満足度 ・・・不快さのないこと、及び製品使用に対しての肯定的な態度
● 利用状況 ・・・ユーザー、仕事、装置、そして製品が使用される物理的及び社会環境

また、ユーザビリティ工学の先駆者として有名なJacob Nielsen(ヤコブ・ニールセン)氏は、「ユーザービリティエンジニアリング原論 (1993)」にて、ユーザーがそのシステム機能をどれだけ便利に使えるかというユーザーインターフェースの視点に限定して5つのユーザビリティ特性を定義した。

● 学習しやすさ ・・・システムはユーザーがすぐに使い始められ、簡単に学習できるべき
● 効率性 ・・・一度学習すれば高い生産性を上げられるよう、効率的に使用できるものにすべき
● 記憶しやすさ ・・・ユーザーがしばらく使わなくても、覚え直す必要がないようにすべき
● 低エラー発生率 ・・・エラー発生率を低くする、または発生しても簡単に回復できるようにし、致命的なエラーは起こってはいけない
● 主観的満足度 ・・・ユーザーが満足できるよう、好きになれるよう、楽しく利用できるべき

工業製品が開発される上で、ユーザビリティはweb登場以前から研究されていた。椅子は座るためにあるし、ハミガキは歯を磨くためにあるように、工業製品では使用範囲が予測しやすい。しかし、それぞれのユーザーそれぞれが期待するものが異なるサイト設計ではユーザビリティの課題は非常に複雑になる。サイト設計におけるユーザビリティは、あくまでもひとつの視点であり、以下で説明するユーザー体験の観点から全体を俯瞰しながら施策を考えることが大事だ。

ユーザー体験とは何か?

ユーザー体験は、UX(user experience)とも呼ばれる、ユーザビリティを含む広い概念のことだ。
例えばwebサイト設計に関して言えば、ユーザーがそのサイトを訪問して離脱していく過程において、何をどのように読んで見て受け取って、結果どのように感じ、次のアクションを起こすのかといった一連の体験を考慮、設計する。これをユーザー体験デザインと呼ぶ。しかし、単純にユーザーの声を反映させるだけでなく、ユーザーとビジネス目的の達成という両軸から考える必要がある。

ユーザー体験を向上するために、インフォメーションアーキテクトで、著書「web情報アーキテクチャ」や「アンビエント・ファインダビリティ」で著名なPeter Morville氏は、2004年にユーザー体験のUXハニカム構造を発表した。

● 役に立つこと ・・・ユーザーニーズを満たすことができるか
● 使いやすいこと ・・・ストレスを感じることなく利用できる
● 望ましいこと ・・・ターゲットユーザーを踏まえ、好感を持てるデザインにする
● 探しやすいこと ・・・サイト検索だけでなく、google検索結果の見つけやすさも考える
● アクセスしやすいこと ・・・ハンディキャプを持った人でもアクセスしやすい
● 信頼に値すること ・・・情報の信憑性や提供元に対する信頼
● 価値を生み出せること ・・・クライアントの収益に貢献するものにする

このUXハニカム構造は、webサイトの目的や目標に対してどの性質が重要なのか、足りていないのか、現状のサイトの問題を発見する際や、新規制作でも何を優先すべきなのかを判断しやすい。それぞれどこが不足しているのか、優先するのかを把握してみるのに役立つので、是非使ってみてほしい。