アカデミー賞最高賞受賞!!「パラサイト半地下の家族」を観ずして何を観る!?
第92回アカデミー賞、作品賞を始め監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門を受賞したポン・ジュノ監督作品の「パラサイト半地下の家族」。
アカデミー賞初のアジア(韓国)映画の作品賞受賞ということで、大きな話題を生み、皆さんの記憶にもまだまだ新しいのではないでしょうか。
アカデミー作品賞では、アメリカで上映された最も優れた映画数本を候補に選ばれ、その中の1本だけがこの名誉を贈られます。本記事では、「パラサイト半地下の家族」の魅力と共に観るべきポイントを紹介したいと思います。
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魅力1:細部まで考えつくされた綿密な脚本
なんと言っても、一番の魅力は先の読めない衝撃の展開を見せるストーリーにあります。
冒頭では、全員無職の4人家族が大金持ちの一家にとりいり、寄生していく様を、面白くおかしくギャグタッチで描いています。巧みな言葉回しやコントのような会話で途中何度も笑わされました。
ところが一変、それまでのコミカルな雰囲気が一つの出来事をきっかけに、一気にシリアスな雰囲気に逆転し物語が加速していきます。そして最後には思いもよらない結末が待っています。
予告ではホラーミステリーのようなイメージを持ちますが、その内情は笑いあり、ドラマあり、社会問題あり、ミステリーありと一つのジャンルではくくれない、様々な要素がうまくマッチし、一つの作品として昇華されています。
魅力2 様々なところに隠された伏線
この映画にはいっさい無駄がありません。表情、言葉、動き、小物、建物、映像の至るところに物語を読み解くヒントが隠されていて、最後の結末へとつながっていきます。ひとつでもセリフ違えば、物語が崩壊するような危うさを秘めているとも言えます。
水石やインディアン、絵画。映画の中で多く登場する階段を使った演出。また、劇中で大きなキーポイントとなっている「匂い」の表現まで。ストーリー自体の伏線が隠されているのはもちろんのこと、現在の韓国の現状や社会問題も表現されていて、観れば観るほど気づきがあり、面白くなっていく映画です。
「パラサイト半地下の家族」の魅力はまだまだたくさんあるのですが、このままだと隅から隅までネタバレをしてしまいそうなので、後はぜひ実際に自分の目で確かめてみてください。この映画は何も知らずに見るのが一番です。
最後に本作品を監督したポン・ジュノ監督の言葉で締めたいと思います。
『明らかな悪党も天使もいない映画で、みんな適度に悪く、適度に善良で、適度に卑怯で、適度に正直な人々がもつれて破局に至ります。私たちがニュースを見るとき、結果だけ見ます。それは誕生日パーティーの芝生の上で起きた結果だけです。でも、そこには私たちが簡単に察知できない長い脈絡があるんです。映画はそんな結果に達した微妙な段階を2時間にわたって追っていけるーそれが映画の力ではないかと思う』
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