第92回アカデミー賞の最高賞を純韓国製映画がとった意味
第92回アカデミー賞、作品賞を始め、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞と多くの賞を受賞した韓国映画「パラサイト半地下の家族」。アカデミー賞は、 1927 年に設立。世界三大映画祭と呼ばれる、『カンヌ国際映画祭』、『ベルリン国際映画祭』、『ベネチア国際映画祭』よりも歴史が深い映画賞だ。
ちなみに三大映画祭は公開前作品を、アカデミー賞は公開後の作品を讃える賞だ。
「パラサイト半地下の家族」は、ハリウッドの資本がいっさい入らない純韓国製のアジア映画であり、アカデミー賞のその長い歴史の中で、アジア映画が各年で最高の作品に送られる作品賞を受賞するのは初めてだ。
映画界の「歴史が動いた瞬間」を目撃したと言っても過言ではない、映画史に残る快挙であった。
そもそも、アカデミー賞を決める投票券を持っている会員たちは、ハリウッド映画に関わる人が大半だ。もともと英語以外でつくられた映画に贈られる外国語映画賞という部門があったように、「ハリウッド映画以外にも優れた映画があるのは認めるが、作品賞を与えるようなことはない」といった意図を感じるところがあった。
実際に昨年の第91回アカデミー賞でも、メキシコ映画の「ROMA/ローマ」が最有力候補として大きな話題を生んだが、結局はアメリカ製作の「グリーンブック」が作品賞を受賞したことも記憶に新しい。
しかし、時代の流れはどんどん国際的になり、配信サイトであるNetflixでの映画製作が増えるなど、確実に変化が起こっているのは確かである。
今回92回アカデミー賞を韓国映画、アジア映画が受賞したということは、ハリウッド映画界でも変化が起こり始めているのだということを伝える、とても意味のある瞬間だった。
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