• HOME
  • 生活
  • 香港の次は台湾か!?忍び寄る中国の覇権拡大に向けた野心

香港の次は台湾か!?忍び寄る中国の覇権拡大に向けた野心

台湾にとって、香港の現状は他人事でない。現在香港に適用され、大規模なデモを引き起こすきっかけとなった『一国二制度』は約40年前に中国の指導者が台湾を統一するためにつくられたものだからだ。

中国の覇権拡大に向けた野心は、一帯一路構想や南シナ海の領土拡大などを見れば明らか。つまり、台湾にとっても『明日は我が身』という訳だ。中国政府は、台湾で親中派政権を誕生させるため、メディア関係者の買収などを行っており、ロイターなどが報じている(英語)

今、香港人に台湾移住が人気!?

香港では抗議活動によって、半年近く都市機能がまひ状態に陥っている。そんな中、香港からすぐ近くの台湾に移住する人が増えている。

台湾は一党独裁体制の中国から人が流入することを防ぐために、亡命や難民を認めていないが、香港人は例外的に投資家向けにビザの発行などを行えるなど、様々な方法で台湾への移住が可能だ。香港から台湾への移住者は、香港の家賃高騰などもあったためにもともと人気だったが、今年は前年比30%になっている。

一国二制度による台湾統一のため、武力行使も辞さない

香港人にとって人気の移住場所であっても、安全とは言えないのが台湾だ。2019年に中国政府は、台湾政策に関する演説を行った。そこで台湾は中国の一部であり、「一国二制度による台湾統一」を主張した。必要とあらば「武力行使を行使を行ってでも、台湾を統一する」という姿勢を明確にしている。

台湾総統 蔡英文氏は、香港民主派への支持を繰り返し表明している。これに対し中国は、台湾に対する経済的・軍事的圧力も強化している。

中国が台湾の国交を断交させる工作を行っている

台湾と国交がある国は、15ヶ国。バチカンやパラオを除くと、無名の小さな国家ばかりだ。財政的にも苦しかったりする国も多いのだが、台湾はそれらの国々に金銭的な支援を続けてきた。しかし、中国はそれを遥かに上回るような金額やインフラ整備の支援を提示することで、台湾との国交を断絶させている。

2019年9月16日には、ソロモン諸島との断交が発表されたばかりだ。断交というのは台湾の別名である中華民国としては断交という意味であり、中華人民共和国とは日本も国交があるため旅行にも行ける。つまり台湾を国としては認めないという意味だ。

 台湾では来年1月に総統選挙が実施されるが、蔡氏はこの選挙を「自由と民主主義のための闘い」と示している。2019年初頭の習近平による台湾の一国二制度の受け入れを断固拒否した蔡氏。国力や軍事力などに差があり過ぎるが、国際社会との関わりが今後の着目点になる。香港も台湾も、まじで頑張って欲しい!!

<reference> ISEP, REUTERS, SLATE