ラテン語は何故かっこいいのか
「ニベア」「アウディ」「ボルボ」「バーサス」「マルチ」そして「エトセエトラ(などなど)」…まで。実は日常にはラテン語が溢れていることをご存知だろうか。ラテン語で会社名や商品名、チーム名をつけることは日本語に限らず世界中で見られる。そのかっこいい響きをみんなが求めているのだ。他にも、生物の学名はラテン語を使用する規則になっているほか、元素の名前もラテン語がほとんど。しかし、ラテン語についてあまり知らない人の方が多いのでは?
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そもそもラテン語とは
元々は古代ローマ共和国の公用語として広く普及した古代言語だ。「ボーナス」や「アリバイ」、「バーサス」も実はラテン語。
イタリア半島中部のラティウム地方(現イタリア・ラツィオ州)に住むラテン人により用いられていた言語だったが、ローマ帝国の公用語となったことにより、ヨーロッパ大陸の西部や南部からアフリカ大陸北部、アジアの一部までも広がった。
ローマ帝国は基本的にラテン人という民族で構成され、約400年間栄えた一大帝国。当時の水道設備や街道、神殿などは優れた建築技術で知られている。
ラテン語が使われなくなった理由
キリスト教徒は聖書の記述にラテン語を使用したため、キリスト教の権力が高まるにつれて、ラテン語の権威も高まった。
口語は中世期に多様に変化し、イタリア語やフランス語、スペイン語などの多様なラテン言語が生まれた。つまりこれらの言語は、そもそもは古代ローマ帝国で話されたラテン語のなまり。イタリア語とスペイン語はフランス語は似ていると言われる訳はここにある。
キリスト教は口語のラテン語を記すことを禁止したため、数百年の歴史を経て司祭の話すラテン語と民衆の話す俗ラテン語が大きく乖離し、もはや司祭の言葉は何を言っているのか民衆にはわからなくなった。西洋で唯一の文語であったラテン語だったが、口語と乖離したことや口語に対応した文語が他にどんどん派生したためラテン語は使われなくなってしまった。
各界からの根強い人気
日常会話という観点では、ラテン語はもう使われておらず、死語とも言われる。しかし、文語のラテン語は今でも欧米の知識人層の一部で根強い人気がある。ヨーロッパでは、医者や弁護士などはラテン語が必須だ。それは、医学や法学などの専門的な単語がラテン語で示されているためだ。
発音
ラテン語はアルファベットで綴られており、基本的にはローマ字読み。つまり、ローマ時代の読み方という意味だ。実はローマ字読みに慣れている日本人には親しみやすいはずだ。
いかがっただろうか。ラテン語の起源を辿ると、ヨーロッパの歴史や文化をより深く知ることだけでなく、様々な学問で役立つ。こういった人間の文化を支えてきた高尚な言語だからこそ、世界中の人にとってなんか良い、かっこいいと思わせてくれるのだ。
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